8821人が本棚に入れています
本棚に追加
/229ページ
しかし、それ以上に、新の反応が予想外すぎて、莉々子は消えて行くわだかまりを十分に味わうことが出来なかった。
「～～～……っ」
今、目の前で、新が真っ赤になって悶えている。
「は、新さ……？ ――きゃっ」
「君は……それは計算か？」
莉々子の腰を抱き掬い、新が顎先を捉えた。
「ん――……っ」
その瞬間、吸い付かれる感覚に、すぐさま莉々子は崩落した。
もう何度、この手に、この唇に、全てを攫われているだろう。
「結婚してくれるね……？」
「ん……っ、んっ」
「一生俺と一緒にいると約束してくれ」
「……ふっ、んん！」
尋ねながら、キスの手を緩めない新の胸を叩く。
「――っ、それじゃ返事、できないですっ」
息を切らしながら訴えると、怒っているというのに新は笑っていた。
「そうやって、遮ってでも聞かせて欲しいんだよ」
……なんて、優しい笑顔を浮かべながら。
最初のコメントを投稿しよう！