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「素直じゃないよね、あの時みたい。もしかして僕に気を使ったの?」
シュウが言ってる意味がわからなかった。
「あいつと…本当は一緒にいたいのに、離れる選択なんてして…、じゃあ僕のものになる覚悟は出来たの?」
いつもの小悪魔な雰囲気とは違い、真剣な顔で怒ってるのがわかる。
「そんな事望んでないくせに…」
「シュウ…ごめん、私…誰のものになるつもりもないの。」
「えっ?」
シュウが呆気にとられて私を見つめる。
「シュウのものになるつもりも…ない。」
「じゃあどうして…あいつと…」
「私を…待ってる人がいるの。」
シュウがピクリと眉を寄せる。
「私、幸せだと思う。カインに愛を教えてもらって、シュウにもリュウにも凄く愛されて…幸せ過ぎる位。でも、私はカインへの愛を貫き通したいの。」
シュウが私を真剣な眼差しで見つめる。
「私、なんにも持ってなかったの。心を許せる友達もいなかったし、心から好きになれる恋人もいなかった。リュウには憧れてたけど、会った事もなかったし、別世界の人って思ってた。私が人間だった時間…私が何も持っていなかったのは、嘘つきで、本当の自分を隠して生きてたからだってわかったの。」
シュウは黙ったまま私の話を聞いてくれてる。
「でもあなた達悪魔に出会って、初めて自分の意見を言い、自分のやりたいように行動できて、やっと自分を解放出来た。そしてみんなと仲良くなれた。今はやっと手に入れた失いたくない大切な人達ばかりに囲まれて凄く幸せ。それも全部カインに出会えたからだと思う…。私ね、そのカインへの愛を貫き通したい。カインにもらった私の命が終わるまで。」
「…キョウカ…」
「シュウの事もリュウの事も、本当に大好きだよ。でも…」
シュウが私を抱き寄せる。
「わかったよ…もういいよ。もう、キョウカを困らせない。だからそれ以上言わないで…」
シュウの腕に力がこもる。
目を…閉じた。
シュウの心地いい締め付けに胸の痛みを紛らわせた。
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