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中央管理棟では、青田と篠山がモニターを見つめていた。
「おい、これを見ろ」
青田が1つのモニターを指差した。
そこに映っているのは黒川である。
「これは水を汲みに行く格好だな?」
黒川は、空のペットボトルをリュック代わりの長ズボンに詰め込んで背負っている。
「そ、そうです」
青田はモニターの中にアサ子の姿を探した。
アサ子は、黒川が向かっている方角とは反対の山中を散策している。しばらくの間、アサ子と黒川が接触することはない。
「わかってるな。黒川は殺すなよ」
青田は篠山の肩に置いた手で、念を押した。
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