episode2 『ア・ラ・カルト』

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「――本当に円生くんが来るのは、いつも突然ですね。 前もって言ってくれたら、約束のおにぎりを作るのに」 小さく笑って対面に腰を下ろす。 葵の優しい笑顔に、心が癒されるような気がした。 「かんにん。ほんまにたまたま近くまで来てん」 と言ってコーヒーを口に運んだ。 近くというほど近くではなくて、本当は無理やりなんやけど。 「そういえば、高宮さんに依頼されていた絵の方は?」 「ああ、もう少しで完成やな」 「わあ、楽しみ」 そう言って手を合わせる。 ああ、可愛くてたまらん。 うちのおかんは、なんて可愛らしいんやろう。
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