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「――本当に円生くんが来るのは、いつも突然ですね。
前もって言ってくれたら、約束のおにぎりを作るのに」
小さく笑って対面に腰を下ろす。
葵の優しい笑顔に、心が癒されるような気がした。
「かんにん。ほんまにたまたま近くまで来てん」
と言ってコーヒーを口に運んだ。
近くというほど近くではなくて、本当は無理やりなんやけど。
「そういえば、高宮さんに依頼されていた絵の方は?」
「ああ、もう少しで完成やな」
「わあ、楽しみ」
そう言って手を合わせる。
ああ、可愛くてたまらん。
うちのおかんは、なんて可愛らしいんやろう。
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