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―――翌日。
あっくんの住む町までは特急電車で二時間半。
10時前には家を出ようと思って準備をしていると、節子おばさんがやって来た。
手には大きな紙袋。
「荷物になって悪いんだけど…これ、暁人にお願い出来る?」
紙袋の中身はタッパに入った煮物と山菜おこわだった。
それを見て、一人で行かせて欲しいと主張したことに罪悪感を感じた。
本当は…
節子おばさんだって、あっくんのことを心配してる。
あっくんのところに…行きたいんだ…。
「…おばさん…ごめんね」
「え?ああ、いいのよ。ひかるちゃんは気にしないで。あの子がああ言うんだから、言うとおりにしないと私も怒られちゃう。私の代わりにひかるちゃんが様子を見てきてくれればいいから」
おばさんの笑顔に私も笑う。
「…今度は…一緒に行こうね」
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