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内田さんの計らいで、ひかるの部屋の準備はなんとかなりそうだった。
ひかるをショッピングモールで降ろして立ち合いの金融機関に向かう途中、内田さんからの着信が入った。
俺は運転しながらイヤホンで電話を受ける。
「はい、月島です」
先程の無理な頼みへのお詫びとお礼を伝えると、内田さんはそんなことはどうでもいいかのように、たいした返事もせずに話し出した。
『クリーニング、明日の午前中に入らせる。午後には荷物も入れて構わねえぜ』
「…そんなに早くですか?すみません、無理言って」
『お前が謝るなよ。俺はひかるちゃんのためにやってんの』
「…ありがとうございます」
『だーかーら、お前に礼を言われても何にも嬉しくないわけ。かわいい妹によろしく言って。じゃあな、お・に・い・さ・ん!』
いつもよりだいぶテンションの高い内田さんの一方的な電話が終わり、特に意味はないが大きく息を吐き出した。
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