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「十………九………」
八、と言おうとしたところで異変に気がついた。
倉梨の表情から強張りが消えた。
諦めにも似ている落ち着いた表情をして、優しい目で僕を見た。
その瞳には、どこか寂しさが混ざっているようだった。
「………このゲームで、二人ともペナルティを受けない方法をご存知ですか?」
彼女の口から発せられた言葉は、僕の予想から大きく外れていた。
「………」
カウントを数えるのを止める。
そして考える。
この女の言葉について。
彼女は優しい目のまま僕を見つめている。
どちらもペナルティを受けない方法?
そんなものは、この女に言われなくてもわかる。
どちらもペナルティルールの条件を満たさなければいい。
すなわち。
『同じタイミングで全ての情報を聞き出す』
これがお互いがペナルティを受けなくていい方法になる。
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