プロローグ

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「やっぱりか」  前方二つのオブジェの騎士が低い音を立てて折った膝を伸ばし、ただでさせ高い頭を更に高く持ち上げていく。恐らく背後の二つも同じく立ち上がっていることだろう。先に見えていた通路は壁の中から降りて来た壁に阻まれようとしている。速度的に普通に走っても間に合いはしない。一応振り返ると、やはり背後でオブジェ達が立ち上がるところで、入って来た通路も対壁と同様閉じられた。 「ここから先に進む、もしくは帰りたいならこいつらを倒せってことか」  のっそりと四方を囲むように騎士の石像が立ち上がると、高さは優に六マータはある。見上げるような騎士達が一斉に腰から剣を抜いた。剣も身体と同じ石造りだが、質量を考えれば殺傷力は想像に難くない。 「無理ゲーだろ……」  苦笑いし、青年は振り下ろされる剣を見ながら呟いた。
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