城へ

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その言葉に、俺は溜息をついた。 「全てを集める意味が分からない。それに、私が力をどう使おうとそれは自由の筈です。他者の危害を及ぼしたり迷惑を掛けない限りはね。 国の法にも、自由は約束されて居ますよ?全てを教団の力にせよとは、誰もといてはいません。第1それは世界の意思にも反するのでは有りませんか?」 俺の言葉に、怒りに溢れる表情で俺を睨みつけながら言う司教。 「何を!教団に協力するのは国民ならば当たり前の行為では有りませんか!それを、何を否定するのです!我が教団は国民の為に活動をしているのです! その我々に協力しないなど!有り得ない事です!」 そう言った司教に俺は言った。 「その教団が、浄化が必要な程の人物を使ってるって言うのも、問題は有りませんか?」 そう言って、床に残った男達の衣類を示す。そう。中身は浄化で消えたけど、衣類は残ってるんだよね。そして、その中でも真っ黒に染まったお守り。 これが一番必要ないと思う。俺は、ゆっくりとその衣服に近寄ってそのお守りを一つ拾い上げる。 まるで襲い掛かるかのように俺に向かってくる靄を、一瞬で吸収してしまい消してしまう。 パキイインンンンンン・・・・・・・・ガラスが割れるかのような音と共に、消え去るお守り。
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