第4章

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「ね、ねえ、奈々美。 石藤さんと仲良いの? あとの2人は小学校からの幼馴染って前に聞いたけど……」 小声で聞くと、奈々美は「それがね」とさらに小さな声を出した。 「教室であの2人を今日のグループデートに誘ってたら、突然話に割り込んできてね。 『私も行きたい!』って。 普段あまり話さない子だから凄いビックリしちゃった」 「そ、そうなんだ……」 「なんかさぁ……絶対、遊佐先輩狙いだと思わない?」 「!」 奈々美の鋭さに息を飲んだ。 「ああいう子に限って、突っ走るんだよねぇ。 1人女の子が足りなかったからオッケーしちゃったけど……やめておけばよかったかなぁ」 「……」 突っ走るのは奈々美も同じだよ、と言いそうになって堪えた。 奈々美はあれから、年上の彼氏とは別れたようだった。 遊佐先輩のことは別として、倦怠期なのか何なのか、ケンカばかりになって離れることにしたらしい。 「なんか……石藤さんって顔は地味だけど、センスはいいよね。 あの服可愛くて羨ましい……万が一、遊佐先輩と付き合っちゃったらどうしよう……」 「だ、大丈夫だよ、奈々美。 奈々美だって今日の服装可愛いよ?」 「えへへ、そうかな?」 付き合うのも別れるのも、私にはまだよくわからない。 でも、これだけは理解してきた。 女の子は好きな人ができると、時には性格をも変えて大胆になるということ。
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