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「ひでぇ」
床に落とされたヒュウガは、体を大の字にして天井に呟いた。
スオウが覗きこんでいる。
「何がヒドイですか? 全く……ヒュウガ様こそヒドイですよ。シオン様は今日、王になられたばかりです。その後見人たる貴方が、こんなみっともないとは。シオン様に安眠をさせぬのが後見人の役割ですか?」
ヒュウガの天井を向いていた視線が、ばつが悪そうに反らされる。
「さあ、行きましょう。ゆっくり寝てから作戦でも考えてください」
シオンは"え?"とスオウを見る。スオウはニヤリと笑った。
「軍師としても、策せずして負けは認められませんから」
ヒュウガもスオウも、アリッサムを諦められないらしい。
シオンは、天井に向けて息を吐き出した。
『姉上、皆手強いですよ』
そう心の中で呟く。
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