父さんどこよと呼んだけど

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童謡の、雨傘唐傘。 母が大好きでよく歌ってます。 雨傘唐傘 傘さして 父さん迎えに行きましょう 雨が降る降る日暮れ道 つんつんツバメの宙返り NHKの深夜便に、リクエストのハガキ出しました。そうしたら、かける事はできないけれどもと、歌詞を送ってくれました。 お父さんを迎えに行って、一緒に帰るの嬉しいな という内容でした。母とびっくりしました。 母が歌っていた、3番はこうです。 雨傘唐傘 傘さして 父さんどこよと呼んだけど 雨が降る降る日暮れ道 垣根に綺麗なバラの花 私も、母が歌う歌詞で覚えていました。 祖父は、昭和19年5月16日、北海道の美唄炭鉱で、落盤事故で亡くなりました。母は、まだ6才でした。 その後の母の人生は、父に出会うまで、貧乏と苦労続きでした。 小学校4年生で、米俵と引き換えで、子守り奉公に出されました。 その後、中学2年生で、祖母の再婚相手が亡くなるまで、働き続けました。 おしんを観て、大根飯なら まだいいほうだ。何かの汁に具が何粒か浮いているだけ。まともに食べた事がないと。 笑って話してくれました。 祖父は、青森第5連隊で、昭和の始めに、凱旋して帰ってきました。勲5等も、貰ったそうです。剣道は七段、母の自慢の一つです。 父さんどこよと呼んだけど 母のような苦労を、私は知りません。何をやっても、母にはかないません。 なんでも、冗談に替えて、笑っている母を、少しは、見習いたいと思います。 頑張るぞ!
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