第六章 テロリスト

15/29
168人が本棚に入れています
本棚に追加
/261ページ
「鬼城が狙われていた。 大和が、ではない。 犯人は、わざと大和以外が操縦するのを狙っていたのだ。 大和ならば、避けられてしまうからだ」  鬼城から説明はあったが、悔いは消えない。 ソニアに戻ると、悔し涙が溢れてきた。 「泣くな、大和」  コクピットで、 大神に抱き込まれて、号泣していた。 毎回、誰かが亡くなると、号泣するので、 大神も慣れてはいるが、 やはり、辛そうだった。 「出雲…大和を連れて行く」  弱っているときに、どうかと思うが、 担いで運ばれ、 大神のベッドに投げ出されていた。 「…大和が、爆破されたかと、 思った。 心臓が止まったよ…」  大神が、俺に覆いかぶさりながら、 涙を落とす。 これは、 ずるい。 俺が、逃げられなくなってしまった。
/261ページ

最初のコメントを投稿しよう!