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「‥‥‥‥‥‥‥フゥ~。」
「‥‥どうした?蒼蘭よ?」
「‥‥‥うん、久しぶりに祖父の顔見て昔を思い出していただけだよ?絵本や陰陽の勉強を教えて貰っていた頃の‥‥‥‥‥。」
自分の異界の中で蒼蘭は一つの部屋で黄昏ていると、九狐の夜叉が後ろから抱きしめて来た。蒼蘭は真頼もなく本当のこと言うと、
「‥‥‥‥急に帰りたくなったか?」
「‥‥‥‥ううん、違うよ!‥‥‥あのあと‥‥‥あの暗闇に棄てられ‥‥‥知らない人間に殺されそうになったの凄く憎いよ!」
「‥‥‥そうだな?‥‥‥あの人間供を我が殺したからな?」
「‥‥‥‥うん、そのあと‥‥‥俺も食われるっと想ったし‥‥‥。」
自分の腕から抜け出し夜叉の顔見ながら言うが今にも泣きそうな顔になり蒼蘭は、下を向き小さく呟き、
「‥‥あの時、お前の力は隠されていながら極上だった。恐怖に怯え震えていた。我はそんな蒼蘭を見て可哀想と思い‥‥‥‥それにお前の中に我と同じ妖の気配がした‥‥だから我の元で育てようと想ったのだ!」
「‥‥‥‥‥うん、知っているよ?‥‥‥そのおかげで俺は‥‥‥凄く幸せだよ。今も夜叉が俺を必要としてくれることを‥‥‥‥ごめんね?」
「‥‥‥何故?謝る?」
「‥‥‥うん、夜叉の気持ち‥‥‥凄く嬉しいのに‥‥‥彼奴等に会って昔を思い出していたから‥‥‥‥‥。」
「そんなことないぞ!‥‥蒼蘭これからどうする?」
「‥‥‥クスッ、どうするって。
もう決まっているよ!昔から彼奴等を殺すよ!そして俺の姓である安倍一族をね!」
「そうだな!その為に我等は此処にいるからな!」
「うん。‥‥‥夜叉、もう昔の感情は棄て復讐に燃えるよ!」
「‥‥ああっ、その通りだ!」
蒼蘭の決意を聴き夜叉は笑い互いに抱き合い口付けを交わした。
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