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「ねえ」
傍の、セーラー服姿の麻衣が呼びかけてきた。
「うん?」
「焼き土下座って、ホント?」
「ホントって何が?」
「だから、昨日叫んでたの、ホントはもっと何か酷いことがあったんじゃないかと思って」
麻衣の顔を見ると、少し憂いげな表情を浮かべていた。
うわあ……これってもしかして……
「ツンデレとか思ってたら足の小指踏み潰すよ」
「いや思ってないというかとにかくごめん」
図星だったので、とりあえず謝る秀樹。
麻衣には、けっこうリアルで怖い夢を見たといっておいた。どんな内容かとしつこく聞かれるので、人が殺される夢とだけ答えた。
まあ、半分くらいは合ってるしな。
学校についた。
県立九津下高等学校。くつした高校。
あり得ないような名前の高校だが、一応県立なので、地名が入っているからこの名前なのだ。
秀樹の家は幸いなことに、この高校から徒歩10分程度で行ける。さらには、そこそこ偏差値の高い学校でもあるので、ここに入れたときの秀樹はかなり喜んだのだった。
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