~第十三章 滅ぶ者~

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魔界では国中で内乱が繰り広げられていた。 女性・子供・老人。 皆が手に武器を持ち、魔王軍と戦っていた。 犠牲者は多かった。 空中でも、ぶつかり合っている。 カレジ達も、何度も戦いに巻き込まれた。 イベルがカレジを肩車のようにして持ち上げて飛び、カレジが剣で戦った。 地上よりも、まだ空の方が安全だった。飛ぶことで余計な体力を使ってしまうからだ。 なんとか魔王のいる城にたどり着いたものの、城の周りはどこよりも守りが堅く、激戦区だった。 「どこから入ったらいいんだ?!」 二人は物陰に隠れながら、様子をうかがっていた。 城門前には無数の兵士がいて、反乱軍も押されている。 たった二人が加わるだけでは、とても抜けられそうにない。 「くそっ…!どうしたら…」 なんの策も思い浮かばず、立ち往生していたその時だった。 「うお~!!」 近くの小高い丘から、たくさんの人々の雄叫びが聞こえてきた。 驚いて目をやると、そこには新たな軍がやってきていた。
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