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「部長、色々とお世話になりました」
「また泥酔したくなったら、いつでも来なさい」
「ははは……」
さりげなく痛いところを突く楠田部長に失笑しながら玄関から出る。
昨夜ここに来た時は、意識朦朧としていただけに家の雰囲気を改めて眺めてみると妙に納得した。
小さな庭は緑の垣根に囲まれていて、ここが東京のど真ん中とはとても思えない趣のある古民家。
懐かしさたっぷりな木造建築と畳の匂いにめちゃくちゃ心が癒された気がする。
しかもあの色気ダダ漏れな部長は破壊的だったし。
「んーー、良く寝た!」
身体を伸ばしながら駅に向かっていると、バッグの中で携帯が鳴り出した。
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