プロローグ

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自転車で坂をの上ると公園の見晴らしのいい丘につく。 その丘からは僕の住んでる町の全てが見渡せた。 人の流れから四季の移り変わりまで。 全て。 今は冬。 町には雪が少し舞っている。 地面や家の屋根に雪がつもり町が白く染まってゆく。 春になれば町は桜の淡いピンクに染まる。 夏になれば木々が葉をだし緑豊かな町になる。 秋になれば葉が紅葉して色鮮やかな町になる。 そしてまた冬が来て町が白く染まる。 この景色が当たり前にやって来る前を僕は知っている。 この町に、この世界に『色がなかった時』を。 僕は知っている―――――――。
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