第1章

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「わぁ、かわいい!」 街中のペットショップに やって来た結衣は 猫たちを見回した。 高校入学のお祝いに、 念願の猫を飼ってもいいと 言われて 半ば興奮気味に来たものの、 ずらりと並んだかわいい姿に 早くも目移りし始めた。 「どれにするの? でもこんなに小さくて 大丈夫なのかしら」 「大丈夫!まかせといて! 世話もばっちりするから」 心配げな母親に、 そう元気に言ったはいいが、 子猫たちは脚が細くて、 顔も小さくて、 結衣が思っている、 しなやかな動きをする猫とは 程遠いし、動きも何処かぎこちない。 これで生きているのが 不思議な気がした。
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