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男が必死に壁に穴を開けていた、男がバールや大きなハンマーで壁をガンガン叩くとそれに連呼するように、
ドアをドンドンドンドンドンドンと連打され、ドアを叩かれるのに対し、
「ジャカマシー、こっちが終わったら頭に穴を空けてやるから待っていろ」
その怒鳴り声に反応してまたドアをドンドンドンドンと連打される悪循環に見舞われている。
男が何故壁に穴を空けて居るかと言えば、隣の部屋から微かに聞こえてくる犬の鳴き声のせいである、
隣の部屋からは犬の鳴き声の他に赤ん坊の泣き声も聞こえるが、そっちは知った事ではない、
男の足元でさっさと仕事を終わらせろと言いたげな目で睨んで、時折低く唸っている、誰に似たのか自分の欲望を叶える為なら、飼い主を飼い主と思わず犬のせいである、
多分隣の犬は子犬だが牝なのだろう、ちなみに同僚達いや元同僚達は飼い主そっくりの性格だと噂していた。
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