第一章~外の世界~

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『すまぬ』  リーリエは一言いい後ろに向き、立ち去ろうとした。  とっさにボクはリーリエの袖を掴んだ。 「行かないで、お願いだから……もう一人にしないで……」  ダメだ、涙声で何を言ってるかわからない。  涙を拭うボクにリーリエは優しく本当に優しく抱きしめてくれた。 『すまぬな……。妾の考え過ぎじゃった』 「いいよ……。ボクも言い過ぎた。  それでね、もしよかったら、なんだけど……。まだ一緒に居てくれる?」  リーリエが固まってしまっているので顔を見上げる。 『うむ、良いぞ』  よかった。 「ありがとう、おかっ」  寸前で口を塞いだがな、何を口走りかけているんだ。 『くくく、別によいぞ。不愉快ではないしの、それにそう呼ばれた方がしっくりくるわい』 「へ、じゃあお、おおお母さん」  恥ずかしい、多分今ボクの顔は熟れたリンゴみたいに真っ赤なんだろうな。
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