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『すまぬ』
リーリエは一言いい後ろに向き、立ち去ろうとした。
とっさにボクはリーリエの袖を掴んだ。
「行かないで、お願いだから……もう一人にしないで……」
ダメだ、涙声で何を言ってるかわからない。
涙を拭うボクにリーリエは優しく本当に優しく抱きしめてくれた。
『すまぬな……。妾の考え過ぎじゃった』
「いいよ……。ボクも言い過ぎた。
それでね、もしよかったら、なんだけど……。まだ一緒に居てくれる?」
リーリエが固まってしまっているので顔を見上げる。
『うむ、良いぞ』
よかった。
「ありがとう、おかっ」
寸前で口を塞いだがな、何を口走りかけているんだ。
『くくく、別によいぞ。不愉快ではないしの、それにそう呼ばれた方がしっくりくるわい』
「へ、じゃあお、おおお母さん」
恥ずかしい、多分今ボクの顔は熟れたリンゴみたいに真っ赤なんだろうな。
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