第1章 プロローグ

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そして、3月30日朝7時。 弥生は、目を覚ますとシャワーを浴び、私服に着替えるとショルダーバッグ一つで家を立つ。 見送り前に母から、向こうで暮らす為の家財道具代と1ヶ月の生活代として、現金25万を渡され、ショルダーバッグにしまう。 「………。本当に大丈夫なの? 家賃1万円代の物件なんて… お母さん心配だわぁ…」 「大丈夫だよっ。 心配症なんだから! それにねっ。このマンション。 3年以上住むと料金が上がるシステムみたいなの。 実質、家賃5万円のマンションだから。 その頃には、私だって5万くらい払える様になっていると思うし。」 「そう…。ならっ! 頑張って行ってらっしゃい! 辛くなったら、何時でも帰ってらっしゃい!」 「ありがとう! 行ってきます!!」 こうして弥生は、母に見送られ、実家を後にした。 これから待つ新しい人生に、胸を躍らせながら。
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