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すると梨乃の背後でガサガサとビニール袋を探る豹磨の気配を感じた。
梨乃の記憶だとあのビニール袋には、ここに来るまでに豹磨が拾い集めた空き缶と煙草の空箱くらいしか入っていなかった。
他にも何かこのセキュリティをクリアする探偵の秘密道具でも入っていたのだろうか。
梨乃が期待に胸を膨らませた瞬間、エントランス内に黒電話の着信音が響き渡った。
「ああ、菊乃さんお待ちしておりました。暗証番号は? はい、ありがとう」
「おぉいっ!」
思わず振り向きながらツッコミした梨乃に「どうかしましたか?」と豹磨は首を傾げる。
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