B級刑務所

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、全く別次元の刑務所と言える。 A級刑務所は誰もが、刑務所初体験という受刑者ばかりだが、B級刑務所は 社会に出てもまたすぐに犯罪を繰り返す再犯者たちの集まりだ。 A級刑務所にヤクザはいない。受刑者の殆どが、規則を遵守し仮釈放によって、刑期の満了日前に帰っていく。迷惑な受刑者も少ないので事件や、事故といった困難に遭遇することは少ない。但し、処遇面は厳しい。 A級刑務所とB級刑務所とでは、処遇や生活環境に大きな違いがある。 過ちを犯したことを後悔し、社会復帰した暁には、人生をやり直そうと思いながら務める受刑者を収容する刑務所と、刑務所を自宅だと思い、寛ぎながら次の犯罪の計画を練る、矯正不可能な受刑者ばかりを収容する刑務所とでは 同じ刑務所であるが、雲泥の差がある。 B級刑務所の受刑者は、社会に復帰することを、ちょっとお出かけぐらいにしか思っていない。刑務所に収容されるのが3回目、4回目という者は当たり前で、多すぎて何回目だか分からないという者も沢山いる。 要するに、刑務所でしか生活できない者たちの集まりで、当然ヤクザだらけで毎日どこかの工場でケンカがあり、非常ベルが鳴る。 常識など通用しない、社会から放逐された、とんでもない連中の巣窟である。それが、B級刑務所だ。隔離された場所で、一体どのように生活をしているのか、また、どのように管理されるのか、知られざる世界がここに明かされる
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