B級刑務所

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第一章 大阪拘置所 大阪拘置所は、関西を代表する大きな拘置所で、2500人を収容することができる。所内に死刑場があり、大阪矯正管区と高松矯正管区の死刑確定者を収容している。 京都、奈良、兵庫、和歌山で控訴すると、被告人は高等裁判所を擁する 大阪拘置所に移管される。 拘置所に収容されるまでの流れを簡単に説明する。 刑事事件を起こすと、警察に逮捕され、身柄は警察署内の留置所に拘束される。俗にいうブタ箱というやつだ。 ブタ箱も知らない人のために、ブタ箱の構造を簡単に説明しておく。 鉄格子に重厚な扉が取り付けられている。扉の外側に取手はあるが、内側には無い、必要がないからだ。 管理者が、すべて扉の開閉を行ってくれる。 逮捕から刑務所を出所するまで、扉の開閉は自分自身で行うことはない。 床は藁ではなく、ゴム製の畳が4枚、この一角にコクリートで覆われた便所が一つ、それに強化プラスチック製の視察窓が設けてある。 検事に起訴されると、裁判を受けるという願ってもない資格を授かる。 起訴以外は釈放され、自由の身となるが、起訴された場合は被疑者から被告人と言う立場に変わり、身柄は警察署から拘置所へと移される。 警察署では、1名から3名だったのが、拘置所では8名での共同生活となる。 管理者も警察官から刑務官に変わる。 お金のある者は、保釈金制度を利用して、身柄の拘束から一時的に、免れることができる。保釈金制度とは、現金を担保として裁判所に預けることで判決までの間、これまでどおりの自由な生活を送ることが許されるという制度だ。 事件内容にもよるが、保釈金は300万円程度だ。逃走すれば保釈金は全額没収される。
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