第2章

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「あー、はいはい。『センセー』ね。」 少しだけにやっとしてそう言うと、彼は踵を返しレジへ行ってしまった。 『センセー』ね…って。 なんかバカにされているような気がするのは気のせいだろうか。 いや、私は教師で、相手は高校生なのだ。 もっと威厳を持っていい。 そう思い直すと、また買い物を再開した。 買い物を終えて外へ出ると、少し肌寒い春の風が頬をなでた。 キョロキョロと辺りを見回しても、佐々木君の姿は見えない。 もう帰ったか。 そう思い、自宅へと足を向ける。 あ、そう言えば。 物理の課題提出は間に合ったんだろうか。 こんな所で出くわしたことに驚いて、すっかり忘れいていた。 まぁ、あの様子からすれば、きっと間に合ったのだろう。 そう思い直す。 しかし、コンビニの食事が日常茶飯事となると、健康にも良くない。 せっかく育ち盛りなのに。 でも母親が仕事でいないんじゃ、難しい。 男子高校生に自炊させるというのも得策ではないだろうし。 何とかしたいけど、どうしたらいいのかわからない。 今度飯島先生にでも相談してみようか。 そんなことを思いながら、夜道を家へと歩いた。
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