第3章

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「最近、佐々木君落ち着いてるみたいですね!」 職員室でお弁当を食べていると、隣の席から田口先生が話しかけてくる。 彼女はコンビニで買ったようなサンドイッチのビニールを切っているところだった。 先日佐々木君にコンビニ買い物姿を見られた事が気がかりで、あれから無駄に張り切って手作り弁当を作っていた私は、いつかの自分の姿を田口先生に重ね合わせてしまった。 「はい、不登校もあれからないですし、特に問題も起こしてないみたいで…」 「良かったですね。私も、最近授業で佐々木君の反応が前より良くて、嬉しくって。」 「そうなんですか?」 田口先生のほんわかした笑みに、問い返す。 「はい!前は授業中に当てても、無視か、舌打ちされてたんですけど、最近ちゃんと答えてくれるんですよ~」 「それは、だいぶ進歩ですね。」 彼の担任として、純粋に嬉しく思う。
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