第1章

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春之助はアイビーリーグを卒業後、 そのまま現地で就職した。 海外暮らしのほうが長くなる。 親の仕事を継ぐために、米系通信会社の 太平洋地区の支社長をやめ、 日本に戻ってきていた。 だから、日本の商環境に慣れてなくて、 ストレスをよけいに感じる日々が 続いていた。 一方百合は、小学校の5年間を カリフォルニアで過ごす、という幼少期を送った、 帰国子女であった。 ただ、英語のほうは、もうすっかりさびれていて、 おぼつかないことも多い。 会社で、その点については頼りにされることが 多かったが、あまり真面目に取り組むことはなかった。 でも、 春之助と出会って、そうも言っていられなくなった....
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