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それからも体育の授業は合同ばかりで、その度に俺は胃が痛くなる思いをしながら気にしないフリした。
岸本が優しく新田に微笑む。
「遅くてごめん」と項垂れる新田を優しく庇う。
そんな姿は毎回のようにあって。
羨ましい。
岸本の側にいる新田が、羨ましい。
普通に笑いかけてもらえて、羨ましい。
特別でいられて。
羨ましくて。
悔しい。
そう思えば思うほど、自分の情けなさに涙が出そうになる。
岸本。
俺、お前のことが好きだ。
好きに、なっちゃったんだよ。
まだ今も、好きなんだーーーーーー。
伝えられない言葉が胸の奥に積もる。
苦しい。
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