一知半解

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昼食を済ませ、わたしの部屋に戻った。 ギプスが取れたのに、足取りが重い。 西君をソファに待たせ、ミネラルウォーターをグラスに注ぐ。 注ぎ終わった後も、キッチンに立ったままで、 グラスの淵を眺めているだけの自分に気づく。 ため息をつく。 ソファの方を見ると西君も緊張しているようで俯いたまま座っている。 テーブルにグラスを置くと「おおきに」と言ってすぐに一口飲んだ。 西君の隣に座る。 西君は体を起こして一度深呼吸した。 「前にな、話そうとした時、 きっとろくなことじゃないって言われたけど、 ほんまそうやから」 わたしは目を閉じた。 西君はソファに無造作に置いていたわたしの手を、大きな手で包んだ。 「あの日……」 西君は淡々と話し始めた。
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