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昨日のショッピングセンターで、理紫が、自分のファン、レヴァンのファンをとても大切にしていることが見てとれた。
ましてや、今日は理紫と話すため、サインをもらうため、握手をして貰うために並んでくれている人達だ。
「うん、行く。行きます 」
きっと、優しく、王子様のように接するんだろうなと、自分の夫のことを、《海月ビジョン》でうっとりと想像しながら答えると、即座にナナが言った。
「だよねー! それ、最新の会報誌でしょ? ミツキ、サイン貰う気満々じゃん 」
え……? 行くけれど、並ぶつもりは……。
「……?! 」
言おうとすると、ナナが突然走り出す。
必然的に、手を掴まれている海月も走ることになる。
「ウチも後でクラブハウスに買いに行かなきゃー! 」
「あ、あのっ、わた…… 」
「もう少し待ってたら、家に届くのに? 」
後ろを一緒に走って来る子が、ナナに突っ込む。
すると、ナナは「だって、待てないもーん! サトくんが表紙なら、保存版も欲しいしー 」と笑った。
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