183人が本棚に入れています
本棚に追加
/89ページ
「蓮?お水、飲む?」
ソファに座った彼は長い脚を存分に投げ出して。
だらりと頭を背もたれに預ける。
「んー、」
その返事にちょっと笑って、私はコップにお水を用意した。
「ハイ、蓮。お水だよ。ちゃんと飲んで?」
「んー……とも、飲ませて」
「飲ませてって……もう。ほら、こぼさないように、」
言いながらコップを彼の方へ持っていけば。
「ちがうでしょー」
蓮はそう言って文字通り頬を膨らませた。
蓮、かわいい
膨らんだ頬に笑って、いつもならカッコイイのに、こういう時はかわいいなぁなんて目元が緩む。
「とも、飲ませてー」
そう言って、口をちゅーの形にする。
「ええと……蓮さん?」
「とも、はやくー。俺待ってる」
「待ってるって、」
「俺がこうやったら口うつしのサインでしょー」
いやいやいやいや、そんなサイン、知りません!
思いっきり口尖らせるとか、可愛いけど!
私がやるかやるまいかと躊躇しているうちに、
蓮は私の手からコップをひょいと取り上げて、グイッと一口煽った。
「……えっ、んーーー!!!」
間髪いれずに両手で顔を挟まれて。
流し込まれたソレにごくりと喉を動かした。
最初のコメントを投稿しよう!