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*芽依side*
海翔の機嫌が悪かった理由が解った途端、
安心してホッとしてしまった。
「良かったぁ…。
海翔に嫌われちゃったのかと思った…」
ホッとした私は、
未だ真っ直ぐに前だけを見つめ続ける海翔の身体にソッと寄り添った。
「そんな訳ないだろっ?!
……それより、ミルクにまで妬くなんて。俺のこと、呆れたんじゃないのか?」
そんな私に、
慌てて言ってきたと思ったら、
直ぐに海翔のバツ悪そうな声が降ってきた。
けど、
そんなこと思いもしなかった。
「どうして?
そんなこと思わないよ。
私、車に乗ってからずっと緊張しっぱなしだったんだもん。
そんなこと思う余裕なんてないよ…」
私の言葉を聞いたら…
「……緊張って、なんでだよ?」
凄く不思議そうに聞いてくる。
「変だよね?
逢えない間は、逢いたくて逢いたくて仕方なかったのに。
海翔の前だと、緊張して、目も合わせらんないし。
何か話さなきゃって思ったら、頭ん中が真っ白で。
何話していいか解んなくなっちゃって…。
颯介さんやミルクのことしか浮かばなかったんだもん」
顔を見られるのは恥ずかしいから、
海翔の身体にくっついたまんまで答えた。
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