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「……君は、僕を好いていてくれたんじゃないのか?」
そう漏らした春海に、瞳子は鼻で嗤った。
「ええ、好きでしたよ。
春海様は素敵ですし、何よりこのお屋敷のお坊ちゃんですもの。あなたに見初められたらと思っていました。
ですが、相手は秀行様でも構いませんでした」
「……僕の書いた小説に感銘を受けたと言ってくれたのは?」
「私には文字が読めませんの。あの、感想を書いたのは、全部蓉子様です」
そう言って瞳子は歪んだような笑みを浮かべた。
「……蓉子さんがどうしてそんなことを?」
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