第七章 炎上

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「蓉子さんが突然私に仰ったんです。 『春海さんの心をつかむ協力ならしてあげるわよ』って……。 それで、私は今まで蓉子さんの指示に従って行動して来たまでです。もう少しだと思っていたのに、駆け落ちだなんて冗談じゃない」 チッと舌打ちする瞳子。 すべてが信じられずに、春海が何も言えずにいると、クスクスと笑い声が聞こえてきた。 「――瞳子さん、私のことまで暴露しなくてもよろしかったのに。 やっぱり、下賎な者はボロが出ますわねぇ」 月明かりの下、現れた蓉子に、 「よ、蓉子様」 瞳子は目に見えて分かるほどにガクガクと震えた。
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