第3話 アイドルの秘密 7

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大学生に見える女の子が、柳下に近づいてきた。 化粧が濃く、まとうきつい香水の匂いが、杉田の鼻を刺す。 「最後に会った時も、変な事言ってたし」 「変なって、なんや」 柳下に顔を覗き込まれ、女の子は、後ろに居た杉田に近寄る。 「お兄さんが、今度、指名してくれるなら話すよ」 茶髪の男が名前を呼ぶが、女の子は杉田に笑顔を作った。 「京大、名刺もらっとけ」 言われた通り、女の子からピンクの名刺を受け取る。 「やっと、『イシュタム』になれるって。珍しく、明るかったよ」 女の子が、笑顔で言った。
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