手を伸ばす、その先-2

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いつもはちらりと目線を寄越すだけの彼女が、あきらかに私を見て私に向かって歩いて来ていた。 な、なんで?! 狼狽えている間にカウンターの目の前に到着し、身長は同じ程度のはずなのになぜか見下ろされているような、不遜な態度と相対する。 「……お疲れさまです」 なんとか表情には出さずにそう言って会釈しようとすると、いきなり見覚えのある紙袋が目の前に突き出された。 「……間宮くんから」 「え?」 オランジュショコラの黒い紙袋の少し開いた口から、中身がちらりと伺えた。 マカロンの箱と、他にもたくさんお菓子が詰められていてその中に私が一時期嵌まってたベビースターまで見える。
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