裏側の悪意-2

17/22
1245人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
「そうなの? 来週のいつですか?」 私が反応する前に、凭れていた美佳が身を乗り出した。 「週明け、月曜には向こうに行くよ」 「って、すぐじゃないですか」 明日が金曜だから、もう一週間もない計算だ。 「いろいろとお世話になって、ありがとうございました」 「会うのは今日で最後だね。こちらこそ色々と楽しませてもらったよ」 色々と、という言葉がなんだか意味深で、思わず苦笑いが浮かぶ。 「あちらでも、お仕事頑張ってください。美佳、じゃあね」 美佳と芹沢さんにそれぞれ声をかけて車を降りると。 窓越しにもう一度手を振りあって、車が走り出すのを見送った。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!