11741人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「えぇ?」
「『仕事のし過ぎ』って……それ、彼の優しさなんじゃないの?」
私はオフィスでの彼の素っ気ない態度を思い出した。
「まさか、ないない」
眞辺はそういう対象ではない。
彼はもしかしたら世間的にはいい男というのかもしれないが、
私にとってはあくまでも仕事仲間にすぎない。
彼と私の間には常に『仕事』があって、
二人の間にそれ以外のものが垣間見えることは全くない。
そんな予感もしなければ、考えるだけで違和感が漂う。
「ないない」
私は再確認するようにもう一度言った。
最初のコメントを投稿しよう!