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「うん……。彼も、彼の家族も家に入った方がいいって言うし」
「ふーん、今どき古風だね」
「海外への赴任もあり得るし、まあ……その時にバタバタするよりは、ね」
「そっか、一流商社だもんね。収入も問題なしか」
「そうかもね。私の稼ぎは当てにしてないって感じ」
優香は小さく笑った。
笑ってビールを喉に流す。
「優香が生って、珍しいね」
いつも生ビールでスタートする私とは違い、彼女はまずサワーを注文する。
あまりお酒には強くないのでそれをゆっくりなペースで飲んでいくのだ。
私はその間にビール三杯は済ませている。
そんな彼女が今日は珍しく生ビールのグラスを手にしていた。
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