嘘はかろやかに

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「そういえば、できたかな」 話題が彼のことになったので、私はデザインの修正がどうなったのかが気になりだした。 腕時計を見ると優香も一緒に私の腕時計を覗き込んだ。 「仕事?」 「まあね」と、私は腕をテーブルから降ろしながら返事をした。 すると、優香が意味ありげににこりと笑った。 「気になるなら行ってみたら?」 「別に……明日の朝でもいいから」 明日と言いつつ、今日という日もあと一時間も残っていない。 「そんなこと言っても、どうせ気になって眠れないなら同じじゃないの」
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