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学校から徒歩数分の距離に自宅がある私は、自転車通学の友人たちと一緒に下校することもなく、 だからといって早く家に帰ってやりたいことがあるわけでもなく、いつもゆっくりと校舎に残っていた。 いつも一緒にいるグループは四人で、みんな部活で早々に教室からでていってしまう。 私は校庭の端にある、未だ入ったことのない部室を見ては、あの中がどうなっているのか想像だけして、毎日教室を出る。 青春を謳歌するには、きっと部活が必要に違いない。 そんなことくらいしかこのころは頭になかった。 「薫―っ」
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