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1週間経っても事態は沈静化するどころ悪化する一方であった。木村の班が監視の当番の行っているとき。
屋上でアーチェリーと矢を背中に背負い、双眼鏡を覗いていた女子生徒が、裏門に通じる道路を指差しながら叫んだ。
「みんな見て!、にーさんが学園に逃げてくる」
にーさんと言うのは風野二三という名の3年生で、にーさんのあだ名は二三の名前から付けられたのでは無く。
中学3年の身体測定で身長が222センチあり、それを聞いた風野の名前を知らない下級生が、2が3ツある事からにーさんと呼び、それが定着したものである。
にーさんは大きなリュックサックを背負い、掴み掛かって来るゾンビを長い手足で払いながら学園に向けて走ってくる。
裏門に通じる階段にゾンビが群がって居るのを見て、彼は急斜面の土手を登り始めた。
監視当番の生徒だけでなく、近辺に居た教師や生徒が脚立などを持ち、にーさんが登ってくる土手の上て塀を乗り越えるのに手を貸そうと待機していた。
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