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それは、何年、何十年先の話
病室の窓から見上げる空は、今日も変わらぬ青色。
「……凛花、今日の天気は？」
「晴れだよ。綺麗な青空」
「そっか。ねぇ、今日も本の話を聞かせて」
「うん。じゃあ昔、望があのお店で取ってくれた本の話にしようか」
ベッドに横になる痩せた腕につながる点滴や、肌のいたるところにある治療の痕は、生きようと願う証。
その手を握って、今日も伝えよう
あの日と変わらぬ愛情を
「ねぇ、凛花……幸せ？」
「もちろん。幸せだよ」
笑うふたりの薬指には、今日も銀色の輝きが光っていた。
end.
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