まいった

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「はい?」 それは夜、恵がまったりベッドで本を読んでいるときに起きた。 「だから、眼鏡かコンタクトどっちがいい?」 いきなりの2択をたたきつけてきたのだ。 「なんで?目、悪かったの?」 「んー、ギリギリだったんだけど、限界がきた。もう本もこの距離じゃキツい。」 本をもったまま手を伸ばした状態で目を細める恵。 あぁ、その表情も好きだなと見とれそうになり、慌てて枕に顔を埋めた。 「どうせなら、汐菜のリクエストを聞き入れようと思ったけど、どっちでもいい?」 「ちょっと待って。」 コンタクトは言ってしまえば普段通り。 しかし眼鏡姿の恵は見たことがない。 しかも普段使いではなく、たまにのオプション。 見たい。 是非とも見たい。 「眼鏡・・かな。」 眼鏡フェチではない、断じて。 でも、見たい。 「じゃ休みの日に買ってこよう。」 「次いつ?」 「三日後かな。」 「明日の夜は?私も行きたい。」 このイベントに参加しないわけにはいかない。 仕事早く終わらして間に合わせる。 汐菜はぐっと拳を作り、気合いを入れた。
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