「チャッピーがくれたもの」

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「チャッピーがくれたもの」

 僕は毎日にうんざりしていた。  月曜日から金曜日まで。 毎日毎日、7:30の電車に乗り高校へ通っている。 学校へ行っても楽しいことなんてない。 周りと適当に話を合わせて、夕方までつまらない授業を受け、家に帰っても出来ない勉強をひたすらやる。 おまけに今日は、中間テストだ。 どうせ勉強の出来ない僕のことだ。 追試を受けるに決まってる。 電車内の暑さに耐えかね、僕はハンカチで汗を拭った。  その時、中年男性が、盲導犬と共に同じ車両へ入ってきた。 僕の立っている斜め後ろの専用席に座り、 男性が優しい声で 「チャッピー、ありがとう」 盲導犬の身体をさすってあげている。
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