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三時間目は魔法学、つまり毎度おなじみ男子は自習してろって話だった。
「疲れた……」
ふぁ、とあくびを漏らし、机に突っ伏す。こーゆー女子がいないとこでしか気が抜けなかった。まぁ完璧超人を演じると、それはそれで気に入らないってのも出てくるかもしれねえし、そもそも俺に完璧超人を演じるなど不可能だ。なら開き直って適度に息抜きすればいい。こーゆー姿を人づてで聞いて『東城大和にも欠点はあるんだ。かわいい』と好意的に受け取ってもらえる、といいなあ。正直女の気持ちなんか知らねーってー。こんなの雑誌の受け売りだぞ、こんにゃろう。
「お疲れのようだな」
「だよ」
「まぁ無理もないか。あの堂島雫に好かれているんだから」
「いや、それは関係ないってー」
「おいおい、まだそんなこと言ってるのか? 堂島がやらかしたこと知らないのか?」
「なんの話だ?」
おい、待てよ。
これ以上面倒ごとを持ってくんなって!
「『玄武』の東雲幻水は知ってるよな?」
「ああ」
東雲幻水。
四大派閥の一つ『玄武』の頂点。
三年二組に所属していて、生徒会の副会長らしい。
まぁ生徒会は高校のトップクラスの魔法使いがほぼ結集しているから、会計以外は『朱雀』を除く四大派閥のトップっていう魔窟になってるんだが。絶対近寄りたくねえ。
「で、東雲幻水さんがどうかしたのか?」
「そいつの肩にぶつかった奴が粛清された」
「……ッ……! その人、今どうしてる?」
「瀕死の重傷」
くそ、くそくそくそ!!
ふざけやがって。ちょっと強いからって調子乗んなよ!!
…………、? あれ、ちょっと待て。
「なあ、それが堂島さんとどう繋がってるんだ?」
「そのまんまだよ。粛清を執行したのは堂島雫ってことさ」
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