参 ――怨霊退治――

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   少し感慨深げだった成子だが、朝を迎える頃には、既にいつも通りになっていた。  いつも通り、美しく、いつも通り、淡々と、祈りや客の接待などを終えたあと。  成子は、みなを前に脇息に寄りかかり、だらけていた。 「ああ暇ね、暇。  そこ此処をうるさい怨霊どもがうろいている以外には。  ねえ、道雅やっぱりいい人になりなさいよ。  そしたら、呪って殺すから」 「貴女が呪ってどうするんですか。  そして、今、気づきましたよ、斎王様。  その想定だと、私、今、いい人じゃないですね……」  力なく言う道雅の後ろで、庭の菖蒲が一斉に首を揺らしていた。  艶やかな光景だった。
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