1713人が本棚に入れています
本棚に追加
/138ページ
「馬鹿みたいな茶番をしてるからだ。ったく、なんでこんな地獄絵図に?」
「狗鳴君は漢字の圧に押しつぶされてー、風宮君は俺達がいつまで経っても馬鹿なのは、自分の教え方が悪い所為だと自責の念に苛まれてるwww」
哀れ風宮君……こいつらが馬鹿なのは自業自得であり、いつまで経っても勉強を理解出来ないのは決して風宮君の所為なんかじゃないから心配するな。
「お前はへばってないのか」
「俺が勉強分からないのはいつもの事だし?www それに、分からなくても柳が教えてくれるんだろ?」
「ルームメイトが留年だなんて溜まったもんじゃねえからな」
呆れの溜息を吐く俺に、蓮はケラケラと笑い返す。全く、何処までもマイペースな奴だ。
俺はペシリと蓮の頭を叩くと、未だ死んだ状態でモジャモジャに泣き縋られている狗鳴君と風宮君に声を掛けた。
「二人共大丈夫かー?」
「夜霧ぃ……漢字が…漢字が追いかけてくるんだよぉ……」
「柳君…僕には荷が重すぎたんだ……二人になっただけでこんなに辛いだなんて………」
駄目だ、だいぶ参っているみたいだ。だがこんなドス暗いオーラをいつまでも放ち続けられても困る。
「今、狭山がカレーを作ってくれるから。もう少し頑張れ」
「「水瀬っ!」」
そう言われた途端、瞬時に起き上がる二人。どうやら元気になったらしい。やれやれ、どんだけモジャモジャに盲目なんだ……。
「狭山、さっさと作るぞ」
「おうっ!三人共、楽しみにしてるんだぞ!」
食材を持って台所へ向かう。すっかり復活した二人は、頬を緩ませてモジャモジャを見送っていた。
最初のコメントを投稿しよう!