プロローグ

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1 『カーン』 バルト城に鐘が鳴り響いている。 そのバルト城に住んでいる王女の間で一人の少女が、ベッドで気持ち良さそうに眠っている。 「うぅん…朝か」 その少女の名はバルト・スター。 この状態ではとても星の王女とは 思えないような風貌をしていた。 「まだ、仕事の準備していないから早めに準備しないと…」 スターは荷物を確認し、物を取ったりするのにも寝ぼけて いるのか分からないが、体が何度も壁に叩きつけられていた。 「ふぇ…時間がないですぅ~。 早く準備しないと間に合いませぇ~ん」 スターは泣きながら行動を急がせた。 その時… 『スター王女、スター王女、 これから仕事の説明がございますので 大至急ですが王の間にお越しくださいませ』 スターがどんな状況に立たされても、連日のように 報じられていた。これが、スターにとっては耐え難い 苦痛とも言えた。 「う~ん…」 スターは少し考えた。 「体調崩したふりしてでもして、休みたいなぁ~。 でも、オルトとの買い物は楽しいけど、 今日はいまいち仕事しよう、という気持ちがでない」 スターは時折、面倒だと思うとこうしてぼやくことがある。 もちろん、言った所で仕事がなくなるわけでもなく、 オルトが仕事サボるなんていう可能性は0である。 先ほどの説明と言われても基本的に やることは毎回同じで、 スターの仕事の役割は言語を使い、様々な 情報を集める事が多かった。 極稀にではあるが、戦闘になればオルトの サポート役に回っており、そのオルトは星へ移動する為の 艦の操縦と戦闘が仕事という事で役割分担をしていた。 運転の方にせよ、戦闘とかもスターは出来るのだが 王女の特権を活かすためにも言語だけはスターが やらなければならない仕事であった。 その時、王女の間から一人の少女が入ってきた。 その少女の体格や見た目からして、 少しスターよりお子様に見えるが特徴とも言える 綺麗に整った青色の髪の少女が入ってきた。 ※スターの髪型はピンクだが、今はボサボサ 「ごめんね、少し遅れちゃった。城内放送がもう 聞こえて…あれ…でも、まだ…」 その少女こそ、先程出てきたオルトである。 本名、オルト・シチェーン。 オルトは民間人ながらも バルト城をほぼ自由に徘徊できる、数少ない人物でもあった。
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