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『カーン』
バルト城に鐘が鳴り響いている。
そのバルト城に住んでいる王女の間で一人の少女が、ベッドで気持ち良さそうに眠っている。
「うぅん…朝か」
その少女の名はバルト・スター。
この状態ではとても星の王女とは
思えないような風貌をしていた。
「まだ、仕事の準備していないから早めに準備しないと…」
スターは荷物を確認し、物を取ったりするのにも寝ぼけて
いるのか分からないが、体が何度も壁に叩きつけられていた。
「ふぇ…時間がないですぅ~。
早く準備しないと間に合いませぇ~ん」
スターは泣きながら行動を急がせた。
その時…
『スター王女、スター王女、
これから仕事の説明がございますので
大至急ですが王の間にお越しくださいませ』
スターがどんな状況に立たされても、連日のように
報じられていた。これが、スターにとっては耐え難い
苦痛とも言えた。
「う~ん…」
スターは少し考えた。
「体調崩したふりしてでもして、休みたいなぁ~。
でも、オルトとの買い物は楽しいけど、
今日はいまいち仕事しよう、という気持ちがでない」
スターは時折、面倒だと思うとこうしてぼやくことがある。
もちろん、言った所で仕事がなくなるわけでもなく、
オルトが仕事サボるなんていう可能性は0である。
先ほどの説明と言われても基本的に
やることは毎回同じで、
スターの仕事の役割は言語を使い、様々な
情報を集める事が多かった。
極稀にではあるが、戦闘になればオルトの
サポート役に回っており、そのオルトは星へ移動する為の
艦の操縦と戦闘が仕事という事で役割分担をしていた。
運転の方にせよ、戦闘とかもスターは出来るのだが
王女の特権を活かすためにも言語だけはスターが
やらなければならない仕事であった。
その時、王女の間から一人の少女が入ってきた。
その少女の体格や見た目からして、
少しスターよりお子様に見えるが特徴とも言える
綺麗に整った青色の髪の少女が入ってきた。
※スターの髪型はピンクだが、今はボサボサ
「ごめんね、少し遅れちゃった。城内放送がもう
聞こえて…あれ…でも、まだ…」
その少女こそ、先程出てきたオルトである。
本名、オルト・シチェーン。
オルトは民間人ながらも
バルト城をほぼ自由に徘徊できる、数少ない人物でもあった。
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